自然と一体になる体験 – 松永さんと巡る耶馬溪サイクリング

自然と一体になる体験 – 松永さんと巡る耶馬溪サイクリング

はじめに

 

大分県北部の美しい山あいに位置する耶馬溪。ここで四季折々の風景を楽しみながらサイクリングを満喫できる「やばけいサイクリングツアーズ」を運営しているのが、松永皓史さんです。松永さんは、耶馬溪の自然と里山に根付いた暮らしをサイクリングで巡るツアーを提供しており、その雄大な景色と地域ならではの魅力を自転車を通じて案内しています。サイクルステーションとして、快適なレンタサイクルとともに、初心者からベテランまで楽しめるガイドツアーを開催。松永さんのツアーでは、ゆっくりと耶馬溪を感じながら、のんびりとした時間を過ごすことができると評判です。そんな松永さんが自転車にのめり込むきっかけから、耶馬溪の魅力を最大限に引き出すガイドとしての姿勢までを掘り下げていきます。

 

 

松永さんが自転車に乗るようになったきっかけとは

 

僕が自転車にのめり込むようになったのは、地元に戻って地域おこし協力隊として活動を始めた時です。もともと中学生の頃、サイクリングロードを通学路として使っていました。その頃は、ただ通学するだけで、地元のサイクリングロードに対して特別な意識を持つことはありませんでしたね。でも、地域PRの活動を通して、自転車に関わるようになって、それがきっかけで地元のサイクリングロードをまずは全て走ってみることにしました。すると、風の音や川の流れ、鳥のさえずりなど、五感で感じる耶馬渓の素晴らしさに気づいたんです。これは子供の頃には気づかなかった魅力でした。その後、レンタサイクル施設で運営に携わるようになっていくうちに、お客様にオススメのコースを紹介するだけでなく、「一緒に走って僕が感じたような体験をしてもらいたい」という気持ちが強くなってきて、ガイドを始めることにしました。地元の方々との触れ合いも楽しくて、それもこの仕事の大きな魅力の一つです。

 

自転車に乗ることでどんな喜びがありますか?

 

自転車に乗ると、五感をフルに使ってその地域の空気感を味わうことができます。車や電車では気づかない、小さな音や匂い、風の感触が自転車ではすべて感じられるんです。特に耶馬溪の自然は本当に素晴らしいです。走っていると、森の中に吹き抜ける風や、川沿いの涼しい空気を直接肌で感じることができるし、景色の移り変わりも自転車だからこそ楽しめる。まるで自然と一体になったような感覚を味わえるので、心と体の両方がリフレッシュされますよ。

 

 

ガイドとしてお客様をおもてなすために意識していることは?

 

地域の「素の姿」をお見せすることです。単に耶馬溪の観光名所や歴史を説明するだけではなく、僕自身が日常で感じている「そのままの耶馬溪」を体験していただきたいと思っています。川に足をつけてみたり、地元農家さんの普段の暮らしに耳を傾けることなど、些細で美しい日常を大切にしています。こういった体験を通して、その土地の暮らしや自然に触れることで、より深い親しみを感じてもらえるんです。


 

ツアーに参加するお客様が気軽に楽しめるような工夫ってありますか?

 

自転車はあくまで移動手段の一つであり、地域を感じるためのツールだと思っています。だから、体力的なハードルは高くありません。ツアーは子供から大人まで楽しめるように、オーダーメイドでコースを作っています。家族連れには短めのコースを設定し、自然の中で遊べる体験を組み込んでいます。例えば、川に足をつけて涼んだり、飯盒炊爨でご飯を炊くアウトドア体験を楽しんでもらうこともあります。こうした工夫を取り入れることで、誰でも気軽に参加できるツアーにしています。


 

松永さんの視点から「大分でサイクリングをする魅力」は何だと思いますか?

 

大分には、山と海の景色が一度に楽しめるコースがあるんです。特に別府や国東のエリアでは、海沿いを走りながら美しい山々の景色を同時に見られる、まるでパノラマ映画のような風景が広がっています。それに、サイクリングは達成感を味わえるのも良いですね。標高や距離を目標にして走り切った時の達成感は格別です。そして、大分ならではの楽しみとして、サイクリング後に温泉に入れるという最大の醍醐味が待っています。これも、大分でサイクリングをする大きな魅力の一つだと思いますよ。


 

まとめ

 

松永さんとの会話を通じて、サイクリングがただの移動手段ではなく、その土地の風や音、自然を全身で感じる貴重な体験であることを再確認できました。耶馬溪の美しい景色、親しみやすい地元の人々とのふれあい、そして松永さんのガイドとしての温かさは、サイクリング初心者でも安心して楽しめる要素に満ちています。大分の豊かな自然を自転車で駆け抜け、心身ともにリフレッシュするその魅力を存分に感じる旅を、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。